Diary亭日乗

第3回気持ちを繋ぐおくりもの展

山田衣純
第3回気持ちを繋ぐおくりもの展
しばらく続いていた雨が止み、今日は久しぶりに良いお天気。
ドライブ日和だなあ、と洗濯物を干しながら、空を見上げた。
海なんてどうだろう。一番近いのは松島かな。
そういえば、松島で何か展覧会をしていたような…。

お昼ごはんのオムレツを食べながら、Diaryを広げた。
あった、これだ。「気持ちを繋ぐおくりもの展」。
会場の藤田喬平ガラス美術館のHPを見ると、
ゆるやかに波打つ藍色のオブジェの写真。
週末の小旅行にはちょうどいいかも。

車でうちから1時間。
いくつかトンネルを抜けると、海が見えてきた。
きらきら光る水平線に、
小さな島がぽつりぽつりと浮かんでいる風景は、
本当にかわいらしい。

ガラス美術館は、松島の中心地から少し離れたところにあって、
まるで旅館かホテルみたいな、巨大な建物だった。
日本庭園もあって、池に浮かぶチャペルまである。
結婚式もできるらしい。
館内のあちこちにガラスがあしらわれていて、
建物を見ているだけでも飽きない。

「気持ちを繋ぐおくりもの展」では、
18人のガラス作家さんの作品を見ることができた。
グラスや香水瓶、蓋物に、ガラスペン、アクセサリー…。
どれもこれも照明の光を受けてキラキラしている。

ぼんやり眺めている内に、
どうやら同じ人の作品が気になっていることに気が付いた。

小林裕之さん。
まるでオパールを溶かし込んだような、
不思議な色合いのガラスで、
ぐい呑みとグラスと、小さな蓋物が並んでいた。
いいなあ。こんなぐい呑みで一杯やりたいわ。
ちらっと値札を見る。ムリです。買えません。
ああ、でもいいなあ。こんなに綺麗なガラス、見たことない。
もう一度値札を見る。
一客だけなら買えるかも…。いや、やっぱりムリ。

ぐい呑みを目に焼き付けて、
五大堂近くのカフェ松華堂にやって来た。
前はうっかり定休日に来てしまい、涙をのんで素通りしたのだ。
いつもカステラときなこサンドで悩む。
今日は、きなこサンドとコーヒー。

さくさくメレンゲとふんわりきなこクリームを味わいながら、
やっぱりさっきの小林さんが気になって、
ちょっと検索してみたら、ブログを発見。
どうやら京都に工房があるらしい。
同じくガラス工芸作家の奥様と、
お子さんとの3人のつつましやかな暮らしが、
写真からうかがえて、すっかりファンになってしまった。

いつか、京都の工房を訪ねていこう。
そんなことを考えながら、松島を後にした。