Diary亭日乗

せんだいデザインリーグ卒業設計日本一決定戦2003-2015 活動記録

岩松伸幸
せんだいデザインリーグ卒業設計日本一決定戦2003-2015 活動記録
防災会議で盛り上がるせんだいメディアテーク。
「せんだいデザインリーグ活動記録2003-2005」を見に来た。
別で書いたパネル展示「東日本大震災とミュージアム」の隣がこの展示。
横に5メートルほど移動すると即会場に着く。

メディアテークの柱の周りに設えられた会場を一周する。おそらく2〜3分。
正面に過去の優勝者へのインタビュー動画が流され、その隣に各年度の書籍が並び回覧できるようになっていた。
そこから柱にそって一周、パネルが20枚ほど配されいて、過去の優秀作品のリストやデザインリーグの説明が並んでいる。
防災会議に合わせて新しく賞を設けたらしく、その選考についてもまとめられている。

正面に戻り、近くのソファーに掛けてインタビュー動画に目を向ける。
この場所が図書閲覧スペースの横だからだろうか、音量が絞られていてよく聞き取れなかった。
頑張って言葉を拾い、理解しようと脳みそをフル回転させながら聞き入った。

全部閲覧して一息着きながら困る。

これは、どういう動機で作られた展示なのだろう。
内容の専門性から察するに一般向けのイベントではなさそうで、
デザインリーグ参加者やその予備軍、および建築関係に従事している人たち向けだろう。
パネルも書籍のページを拡大印刷したような、文字量多めのデザインに感じた。
起きたことというかどう頑張ったのかを、担々と並べる年表のような展示と感じた。

もしかしたら、伝えたいことがある類の展示ではなくて、
防災会議を機会に回顧録として作られたのかも知れない。
だとすると、読者に何かメッセージを伝えたいのではなく、
振り返ること自体に意味があったのかも。

ではなぜそれを公開展示にしようと思ったのか。
「私達頑張っています!」とプレゼンしたかったのだろうか。
それにしては会場の設えが読者をもてなしている感じがしない。

この感じはデザインリーグ本戦でも少なからず起こっていたように思う。
自分の言いたいことは言うが、その先に聞き手が居ることを意識していない感じ。

同じ建築系学生が作った展示だから、その世代に共通する特徴があるのかもしれない。
ここまでのことは予想だから、そうじゃない!と言われそうだけど、
全体からはそういう印象を受けたのだった。

単純に僕がパネル展示に想定されたお客さんじゃないからこうなったのかもしれないけれど、
その内容よりも設えの由来を悶々と考えさせられる展示だった。