ざわざわした雨の気配で起きる。
雪まじりだと嫌だなぁ。
カーテンの向こうをのぞくとコンクリートが濡れている。
面倒だけど、雪よりは良い。
普段の移動は原付なので、雨降りだとかっぱを着なくてはならない。
そして、雪だと原付自体に乗れなくなり、その上電車やバスに乗らなくてはならない。
どうも電車の人たちが一様に心のシャッターを下ろしている感じが苦手だ。
なるべく近寄らないようにするけど、雪はそれを強いるので、できれば降らないで欲しい。
シャワーを浴びて、うどんを食べ、支度。重装備。
今日はDiaryのイベントをはしごする。
昼過ぎから県美の美術館講座があるので、まず、それに行く。
20年振りくらいの県美。
戦中戦後を生きた、おじいちゃん先生のお話。
当初消え入りそうな声で、聞き取るのが難しかったけど、
思い入れのある部分は声が大きくしっかりして面白い。
「戦後はみんな貧乏だけど自由だった」と言う話に憧れる。
今は貧乏だし自由でもない気がする。
終了後、居合わせた知人とカフェでコーヒーとケーキ。
イベント後に意見交換をするのが好きだ。
体験をきっかけにそれぞれの思いを聞けるので。
小一時間話し、メディアテークへせんだいデザインリーグ2015を見に行く。
建築学生の卒業設計コンテストで、今日はその公開審査がある日。
建築自体にそれほど興味はないが、プレゼンテーションや議論が好きなので楽しみ。
すでに審査は始まっており、途中からの観戦となった。
予選を経て選抜された学生のプレゼンテーションを見る。
多くの学生はプレゼンシートや手元を見つめ、恥ずかしそうに喋っている。
ある男の子はページめくりが早く、読めないほど小さな文字に、まくし立てるような早口。
聞いてほしくないのかなぁ。
一方、ある女の子は奔放に楽しそうにプレゼンする。
「きたきたこういう人!」と嬉しくなる。
各々のプレゼンを終え、審査員の先生方からの質疑応答。
学生が語ることが出来なかった設計の良い所を、先生が掘り起こすような質問を投げかける。
明らかに助け舟なのだけど、学生はプレゼンと同じ主張を繰り返す。質問を受け取っていない感じ。
先生方もその回答にがっかりし、じれったさが募る。
そして双方歩み寄れないまま、多数決で日本一が決まった。
会場全体がざわざわした雰囲気に包まれていた。
人の話を受け止めるということは、上手にしゃべることよりも難しいことなのかもしれない。
受け止める訓練はどうやって積めばいいのだろう。
そんなことを考えながら会場を後にした。
行きつけの喫茶店で、店主と会話の難しさを話す。
その後帰宅。