仙台市内の書店について調べていると、必ずその名前を聞く「八重洲書房」。実際に、「八重洲書房」に通っていた方たちから話を聞くと、皆一様に「あの店はすごかった」「あそこで初めて知った本がたくさんあった」と当時の様子を生き生きと話してくれます。 しかし、インターネットで検索しても、どのような棚作りで、どのような内装で、どのような間取りだったかわからない。1970年に開業し、1993年に閉店するまで、八重洲書房とは、仙台の文化にとってどんな存在だったのかを調べてみます。
はたして、八重洲書房の棚はどのような姿で、どのような本が並んでいたのだろうか。ここでは、1987年から1993年、ダックシティ丸光地下2階で営業していた時代を知る人物の証言や資料によって姿が見えてきた店内レイアウトと、そこに並べられていた主な作家を紹介する。1.〈幻想文学―日本〉稲垣足穂内田百閒小栗虫太郎中井英夫久生十蘭夢野久作2.〈批評―日本〉内村剛介江藤淳小林秀雄谷川雁花田清輝埴谷雄高中...