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能のおけいこ体験講座 金春流「杜若」キリ、「絃上」キリの謡と仕舞
沼田佐和子
タイトル(日本語)
能のおけいこ体験講座 金春流「杜若」キリ、「絃上」キリの謡と仕舞
詳細
得意な科目は古文。 源氏物語も井原西鶴も好きだし、 落語とか、歌舞伎とかも、気になって見に行っている。 古典は、かれこれ10年来の私の趣味だ。 うんちくを述べられるほどじゃないけど、 好きな文学や良かった舞台については熱く語っちゃうような、 それくらいの古典好き。 にもかかわらず。 なぜかお能だけは、一回も見たことがなく。 ずーっと、心の片隅に引っかかっていた。 お能、見なきゃ!みたいな、使命感とともに。 そんな時に見つけたのが、「能のおけいこ体験講座」。 6回講座で、明日が初回。 申込み期限は過ぎてるけど、見学だけでもできないかな…と軽い気持ちで電話してみたら、 ありがたくも快諾。いそいそとお邪魔した。 会場は卸町の能BOX。 お歳を召した方から、若い女性、小学生らしき男の子まで、20人ほどが集まっていた。 まずは、“能楽シテ方 金春流”の本屋禎子先生による、能の実演。 謡(うたい)の男性2名とともに、 「杜若(かきつばた)」キリと「絃上(けんじょう)」キリの2つを先生が演じた。 ……見事に、わからない。 シテ方…? 金春流…? キリ…??? そもそも、杜若と弦上ってどんな話? 謡の文句や先生の動きが何を表現しているのか、1ミリもわからない!!! どうしよう… 参加者は、能に詳しい人が多いようで、うなずきながら先生の話を聞いている。 字幕なしの洋画でも見ているような気分になってぼんやりしていると、 そのうち謡の実戦練習になった。 筆で書かれたお習字の見本のような楽譜を見ながら、 先生のあとに続いて、浪曲のように謡の一節をうたう。 なんどか繰り返すうちに、ちょっと本物っぽくなってきた。 そのあとは、能舞台に上がって、すり足の練習もした。 腰を落として、すり足で歩くのは、お能の基本だとのこと。 足袋に履き替えて舞台を歩いていると、少し気持ちが高揚した。 宮城教育大学の教授でもある先生のお話を聞いて、その日の講座はおしまい。 約2時間の講座、ずっと皆と同じことをしていたけど、結果、ほぼ何もわからなかった。 とはいえ、清浄な雰囲気が漂う能舞台でうたったり歩いたりして、 お能の一端に触れられたような気もする。 そういえば、源氏物語を初めて読んだ時だって、 紫式部が何を言っているのか全く分からなかった。 古典の魅力は、分からないから始まって、素晴らしい!まで全部体験できること。 お能だっていつか、素晴らしい!って思えるのかもしれない。 お能と私のファーストコンタクトはこんな感じ。 次にどこかで会う前に、もう少しだけ勉強しなくちゃね、と、 書店でお能のマンガを買って家に帰った。
場所
能-BOX(せんだい演劇工房 10-BOX別館)
緯度・経度
38.25645135, 140.92366451
住所
宮城県仙台市若林区卸町2丁目15
建物名
能―BOX
制作年月日
2015-03-22
タグ
Diary亭日乗
能-BOX
登録者
沼田佐和子
最終更新者
沼田佐和子